ここ最近、親族に関する出来事や、私自身のライフイベント・昇進が重なり、まったく記事が書けていませんでしたが、大学の新学期も始まり2ヶ月ぐらい経ちましたので、再開します。
今回のテーマは社会人学生のスケジュールです。
私は社会人として働きながら、大学で数学を学び直すという選択をしました。
現在は最終学年で卒業研究に取り組んでいます。
この記事では、学び直しを決意した背景から、実際の年間スケジュール、長期履修制度の活用方法まで、リアルな体験を共有したいと思います。
まず、ここでいきなり長期履修制度というワードを出しましたが、最初に説明していきます。
長期履修制度とは?
長期履修制度とは、社会人や特別な事情を持つ学生が、通常4年の履修期間を延長して、最大6年間で学位取得を目指す制度です。
➡️ 詳細:https://dept.tus.ac.jp/sc2/longterm/
私は仕事をしながら通学をするということで、この制度を利用しており、4年分の授業料で6年間在籍することができています。
仕事との両立にはこの制度の存在が非常に大きかったです。
前提:社会人としての働き方と学び方
私の生活スタイルは、仕事と学業の両立を前提にした“変則的なスケジュール”で成り立っています。長期履修制度を活用しているとはいえ、日々の時間の使い方には相当な工夫が必要です。
- 大学の講義は、早くて16:20に開始し、17:50に終了する。遅い場合は19:50に開始し、21:20に終了する
- 講義のある日は、その開始時刻に合わせて一旦仕事を中断し、終了後に再び業務を再開する
- 講義に対応するため、朝7時頃から仕事を開始することもあり、プロジェクトの繁忙期には深夜0時を過ぎて作業を続けることもある。
- 平日はこうしたサイクルで過ごし、土日はレポート作成や復習、卒業研究の時間にあてる
このように、1日の中で「学業モード」と「仕事モード」を何度も切り替えながら、時間を最大限に活用しています。社会人学生としてのこの働き方・学び方が、この後に示す年間スケジュールの土台となっています。
なお、1番仕事が忙しいときは以下のようなスケジュールになります。
💼7:00〜16:20:仕事
📘 16:20〜21:20:講義
🏠 21:20〜22:00:帰宅
💼 22:00〜24:00:再び仕事
実際の年間スケジュール(1年生〜5年生まで)
以下に、私の年間スケジュール(平日・休日の学習時間、仕事とのバランス)をまとめてみました。
📘 1年生(基礎科目中心)
1年次は、2年次以降の専門科目に進むための重要な基礎科目が多く配置されています。働きながらの学び直しとはいえ、これらの科目は落とすと次年度の進級に影響するため、特に集中して取り組む必要があります。
必修基礎科目(専門基礎)
社会人向け補講的科目
- 数学基礎A/B(土曜)
→ 高校数学の内容を復習しながら、大学数学への橋渡しをする内容です。
語学
- 中国語a
→一般教養としての語学科目。私は過去に大学を卒業しており、語学の単位は認定されていましたが、仕事上、中国の人と会話することがあったので、とりました。
また、私はすでに単位認定されているので、取りませんでしたが、通常の学生だと一般教養科目を取得する必要があります。
1年次の履修について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
📗 2年生(中級〜専門基礎へ)
2年次からはいよいよ専門科目の履修が始まります。1年次で身につけた基礎をもとに、より応用的な数学の世界へと進んでいきます。
ただしこの年は、私の本業で大きなプロジェクトが立ち上がり、仕事が非常に多忙だったため、履修は最小限に抑える方針をとりました。
このように、長期履修制度を利用しているからこそ、自分のペースで進めることができます。
専門科目(選択)
- データサイエンス入門
- 微分方程式A/B
このように、社会人学生は必ずしも「毎年フル単位を取る必要はない」という柔軟性があります。繁忙期には負担を減らし、余裕がある年に履修を増やすという考え方で、継続的に学び続けることが可能です。
📗 3年生(中級〜専門基礎へ)
3年次も引き続き、専門科目が中心のカリキュラムです。
この年は、2年次に履修できなかった必修科目や関連科目を中心に計画的に履修しました。履修内容は主に「統計」「代数学」「解析学」の3分野です。
■ 主な履修科目
これらはすべて卒業に必要な必修または強く推奨される科目で、2年次の学習内容が前提となっています。
この年も依然として仕事は多忙でしたが、以下のような工夫で学習を継続しました。
忙しい中での学びの工夫
- 調整可能な業務は、自分でスケジュール調整を行い、講義時間を確保
- 合間の時間(通勤・待機時間など)を使って教科書や講義動画に目を通す
- 土日に1週間の講義内容を振り返り、ノートやレポートにまとめる
📗 4年生(中級〜専門基礎へ)
4年次は、卒業研究を見据えた必修科目の履修と、より専門性の高い分野への挑戦が中心となりました。
本業の忙しさはさらに増しましたが、それでも時間をやりくりしながら必要な単位を着実に取得しました
必修科目
- プログラミングA/B
→ IT企業に勤務していることもあり、簡単に取れると思って後回しにしていましたが、卒業研究に進むためにはこの単位の取得が必須でした。
選択必修(基礎科目)
📙 5年目(卒業研究)
現在進行中の5年次では、いよいよ卒業研究に本格的に取り組むフェーズに入りました。講義数はこれまでと比べると少なめですが、その分ゼミや研究に費やす時間が大きくなっています。
卒業研究(ゼミ)
前期のゼミはグループでAIや機械学習に関する調査研究を行っています。
近年の技術動向を追いながら、文献を読み解き、実装を通して理解を深める形式です。
また、後期は個人研究に移行し、自分で選んだテーマで論文を執筆中です。
私はAIや統計に関連するテーマを設定し、文献レビューと実験・実装・解析を行って行く予定です。
選択必修科目
- データサイエンスB
- 離散数学1A
- 計算数学1A
いずれも卒業に必要な選択必修の科目として、基礎を押さえつつ応用につなげる内容です。
趣味の講義受講(他学部)
- 物理学1
→ 興味のある分野として履修。直接卒業に関係はないものの、数理的な観点からの刺激になります。
社会人学生として意識した工夫
働きながら大学に通うというのは、時間もエネルギーも限られた中での挑戦です。私は次のような工夫を意識しながら、学びを継続してきました。
- タスク管理の徹底
仕事と学業を両立するためには、時間の使い方が鍵です。私はGoogleカレンダーで仕事と講義の予定を一元管理し、Notionで課題・レポート・試験などの進捗を可視化していました。
特に週単位・月単位での「先読みスケジューリング」が重要で、仕事の繁忙期や試験前に無理が出ないよう、事前に調整をしていました。
- 強い信念を持ち続ける
正直、何度も「今日はもう勉強しなくていいか」と思ったこともあります。
そんなときに支えになるのは、「なぜ自分は今、学んでいるのか?」という目的意識です。
私は、「AIや統計の専門性を持ち、社会に貢献できる自分になる」という将来像を繰り返し思い出し、モチベーションを保ちました。
- 周囲と積極的に共有する
会社の上司やチームには、学業の存在を必要に応じてオープンに伝えるようにしていました。
「○曜日の夜は講義があるので、早めに作業を進めておきます」など、事前に伝えておくことで、理解も得られやすくなります。
これらの工夫によって、ただの“両立”ではなく、学びと仕事を相互に活かし合う関係をつくることができたと思っています。
まとめ
社会人として働きながら、数学を6年間かけて学び直すという挑戦は、確かに簡単ではありません。私自身も何度も挫折しかけましたし、きついことは何度も経験しました。
例えば試験期間中に担当していたシステムでバグが発生し、試験に徹夜でのぞんだことや、月の残業時間が100時間を超えながらも講義に行ったりしました。
しかし、長期履修制度のような制度を活用し、工夫を重ねていけば、実現可能な選択です。
また、社会人になってまでも大学に行こうとするということは、それなりの信念や目的があると思います。
そうすればこのような逆境も乗り越えられると信じています。
ぜひ学びたいことがあるかたは挑戦してみてください。その価値はあります。